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マシュマロが撃てるバズーカ

やさしくはげしくいろいろかたる!!ズガーン!

オンリーワン・ナンバーワン論争

Mステスペシャルの「日本に影響を与えた曲100」、あれをランキングとするのは色々とおかしかった気がするけど、わたしは、それらが順位の番号が大きい方から小さい方へ、となるような曲順でかけられていた事実とか意識しないで、日本の有名曲を教えてもらっている気になってテレビを見ていた。ああいうのを見る度にわたしはひと昔前の歌というものが好きなのだな、と思う。ひと昔前の歌というか、ひと昔前に生まれたのに今なお誰かがそれを受け継ごうとする動きのある歌と言った方が正確かもしれない。なぜだろうかと考えてみたのだけれど、多分安心感があるのだと思う。時代は、何かを淘汰していくという動作の主体となるけれど、そのフィルターをかいくぐり、生還して今にまでも受け継がれる歌は、強い。良質かどうかはきっぱり言えないけれど、確実に保有するエネルギーというのが大きい気がする。特に地上波で「スタンダード」として取り上げられるような歌には、大衆の生活や感情を一手に引き受けてきた過去があるから、今となってはちょっとやそっとのことでどうにかなったりしない雰囲気をたたえているような印象を受ける。そのようなものを前にしたら一瞬だけ自分という存在が力強さをたたえていなければいけないことを忘れていいような気がして、それを安心感と私は呼んでみた。

そして、その「安心感」は少なくとも私の中で保障されていた曲群の中で、日本に影響を与えた曲No.1として提示されていたのは「世界に一つだけの花」だった。SMAPが解散することを思い出して少し虚ろな気分になりかけたけど 、すぐに歌い手の事情という背景を忘れて、ただ素敵な歌だとだけ認識して聞いていたはずなのに、頬を涙が滑ったのはあの歌がやはり素晴らしいからだったと思っている。

横から「オンリーワンにあぐらかいてちゃいけないよね」と母が話しかけてきた。正直自分のセンチメンタルに水をさされて気分が悪かった。それをばらすのが恥ずかしくて言えなかったことを今ここに書き留めさせてもらいたい。

一つの歌に完全な真理なんて求める意味ないよ、No. 1にならなきゃ意味がないって世界が本気で思ってるなら破滅。名詞そのままに一人しかなれないものんだよ、なれない人間はなにを思えばいいのよ、皆が皆同時にNo.1になりたがってるから世界に争いはおこるんだよね、「清々しい」ものから社会が許さないものまで。本気でNo. 1目指してる人間の絶対数は飽和状態のグラフみたいになったら世の中がのんびりし出す予感はあるな。No. 1なんか目指してない、たとえばオンリーワンを目指している人間がいてこそ地球の均整が取れてるんだよ。それでもみんななぜか極端な数字がお好きなようですから、そんな同調圧力みたいなもののせいで、きっとたいていの人はNo. 1を目指して、それでも結局上位何パーセントかとかに入って喜んでるすこしの人間がいる世界の中で、得た順位に価値はないとか思わずにいられなくなって、しまいにはおそらくする必要のない失望をする人間がどれだけいることか。あなたが一瞬でも見下せるかもしれない阿呆を勇気付けてくれる歌くらい、野放しにしておけ。